映画『罪の声』の感想

よくできた映画です。原作もあの有名な事件を見事に解題してみせて
話題になりました。面白くないわけはない。『TENET』『喜劇・愛妻物語』と
同等の観る価値はあると私は思います。ただ『インターテスラー』よりは
価値が価格を上回ることはないと思います。

さぁてと　『ビリー★ザ★キッドの新しい夜明け』で高間賢治さんと
ハリウッド、ビリー・ビッツアーが映画の父たるグリフィスに提言して以来
ハリウッドライティングの基本となった自然光＝フェルメールライティングを
徹底させた企画プロデューサーである私には　小津安二郎映画を支えた
厚田雄春カメラマンの光の設計が　ビッツアーと同じだと　高間さんに訴えた
プロデューサーであった私として言わせて頂きたいことがございます。
しかるに
『ビリー』は　1985年制作の日本映画であるにも関わらず
光の設計だけは　往年のハリウッドスタイル、フェルメールライティングであり
スモークバックで奥行をつける技も高間賢治撮影監督に光の設計を遂行して頂いた。
だから　『罪の声』には　土井監督と撮影の山本カメラマンに
1985年の映画プロデューサーだった私としては「残念だった」と言わせて頂く。
少なくとも　過去の事件が起きたフラッシュバックシーンには　白黒なり
減色処理をしても　それを余計だとは　言えないと　私は思う。
過去事件シーンを私なら16mmモノクロで手持ちとロングショット中心で撮影した。
あと　土井監督だからこそ　敢えて苦言を呈すると
顔のクローズアップが　テレビディレクターの悪癖で　過多だったと思う。
そして　テレビドラマよりも　アクション繋ぎを徹底してほしかった。
いや　今時の映画監督で　アクション繋ぎを連続で澱みなく施すことができる
デクパージュを演出家として全うできる職人は　皆無なのだ。
しかしね　やっぱり米国ハリウッドのクリストファー・ノーランは　やっているんだ。
あんな逆回転ばっかり多用しながら　アクション繋ぎをしっかり徹底している。
観客でそのお手並みに感動する人なんて　米国だってそんなにいやしない。
しかしやっぱり　それは　観客の目を疲れさせず　時間の流れを夢の帯として
届ける映画職人としての矜持があるんだけどね。
さてもっと一般的な感想を述べよう。
映画『罪の声』で　俳優陣は子役を含め全員立派だった。梶芽衣子さんを起用した意味が
やっぱりあるけど　野木大将としてのミスは　曽根俊也（星野源）の
父方の祖父も母方の祖父も　共に事件に関わる因果が応報として絡み付きすぎだ。
いや　これは原作どおりだったのかもしれないが　子供の声を原作よりも
土井監督と追求したというインタビューを読んでいたし　わざわざ
修羅雪姫であり女囚さそりだった梶芽衣子さんを起用するわけがないので
映画として意図したのではなかろうか？

　小栗旬は『天気の子』で声優をして　却って俳優としての実力を思い知ったが
この映画でもマネーメイキングが適う俳優としての存在感を示していた。
Ｗ主演の星野源が　複雑な役なわりに　小栗の役は飄々と事件の核心に
迫って行く徳な役だった。　ところで
事件を起こした元○暴の刑事だった父親を持つ姉弟が　
もう一つの　罪の声として背負った人生の絶望を救済できるのか？
それは本当の現実の事件では　どうなってしまっているのだろうという
観終わった後に　フィクションなのに　実際の事件を解明するように書かれた小説が
こうして　映画化され　その虚構が　もたらす黒滔々たる慄きを　
この映画で味わう人も多いだろう。実際には未解決事件であり　
このフィクションの通りではない。寧ろこの同じ空の下で　今でも本当に
人生を滅茶苦茶にされた罪の声を果たした姉と弟が　
息をひそめているかもしれないのだ。
そういう意味で　問題作であることを覚悟してご覧ください。
『相棒』や『アンナチュラル』『MIYU404』の劇場映画版ぐらいには　いかないのです。
実際の事件では　キツネ目の男らしき元容疑者が　マスコミをウロウロしていたけど
この映画では　一番の悪党は　観終わると　キツネ目の男なんですよ。
それは観終わった直後に理解できます。ちょっとした野木マジックなのかもしれない。
偶然の　又は映画における編集という技術が纏ってしまう
魔性なのかもしれません。　
映画だけじゃなくて　テレビの米国大統領選挙報道は
魔性どころか　悪魔の本性を編集という技術が人々を洗脳しまくっていますけどね。
余談ですが　民主党の大統領になったら　我が国は中国の奴隷になる可能性が高くなる。
トランプなら中共と闘うが　民主党は中共の手下ですからね。
そして中共に資金提供したのは　明治維新でグラバー邸ってのがあったでしょ？
薩長の下級藩士に藩主が活動資金出します？土佐脱藩浪人の龍馬の本家が才谷屋という
質屋だとしても　軍艦買うおカネを出しませんよね。　グラバーは英国人なのに
なんで出島じゃなく長崎に邸宅を所有できたのか　学校で教えて貰っていませんね。
つまり　清教徒革命以来　王殺しビジネスで　中央銀行＝通貨発行権を戦利品として
受け取る代わりに大いに革命家に大金を投資した　あの人達です。
フランス革命　ロシア革命　アメリカ独立戦争しかり。　
銀行員の方々なら　よくご存知の　ロンドンのシティの支配者たちのことです。
そして　中国において　孫文の辛亥革命はどういうわけか　日本の映画会社・Ｍカンパニー
から　全くの無私の資金提供で支えられ行われましたけど
周恩来たちは　シティからの資金提供を得て　共産革命に成功致しました。
そうです。田中角栄や石橋湛山は　日本における中国への良心を示したがゆえに
虎の尾を踏んでしまったのでした。　日本のマスコミが無視し　学校でも教えない事実。
民主党の大統領になったら　そのままシティの支配者の人口削減計画遂行です。
中国共産党が世界の主役ですって。どうします？
ちなみに　ゲーテはフリーメーソンの上級会員で
おそらく　イルミナティと言われていた部会にも
参加していたかもしれませんが　
ロンドンのシティの支配者を主人公にした戯曲を
世に出しています。そうです『ファウスト』です。
悪魔、堕天使ルツィファーたるメフィストフェレスは　人間の形をしていますが　
足に蹄があるんです。それは　ゲーテの巧みな比喩です。
ドイツ語に詳しい方ならお分かりでしょ？　異星人だもんね。