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それでもジュピター、木星は護っている [反戦厭戦]

 木星は護るのか?.jpg

小さな島を巡って日本の何十倍もの国土を持った国の民が
暴動を起こしていても 木星は地球という星が粉々にならないように
またしても彗星を自らに引き寄せ 飲み込んだ。
1994年のシューメーカレヴュー彗星が木星に衝突した際も
私はノストラダムスの1999年の七の月恐怖の大王がで始まる
カトランを思い浮かべていた。
火星の前と後ろで それは巡航を幸いにも遂げるだろう
という一節の不思議さが 頭に過り
火星の後ろすなわち木星の存在を思った。
まさかその数年後に件のカトランから私が小説を書こうとなどと
1994年時には予想だにしていなかった。
当時私は 未だ映画を撮るつもりでいたからだ。

日曜日にNHKで昼間、『岡崎嘉平太~信を縦糸 愛を横糸』という
2007年に放映されたドキュメンタリーを改めて観なおす番組を観た。
あぁ 石橋湛山や田中清玄だけでなく 寧ろ 周恩来首相の
「信」を得たのはこの岡崎さんだったのか と魅入ってしまった。

『私は日清戦争以来の日本を許せない。憎んでいる。
 けれど よく考えてみると その憎むべき数十年よりも
 中国と日本が良好な関係であった2千年の方が大切ではないか?
 そしてこれから先 その良好な関係に戻る方が
 我が国民にも 日本の国民にも仕合せであろう。
 私はそう思うようになってきた』
周恩来首相がそう語られたのは まさに岡崎さんが
第一高等学校時代の 中国からの留学生だった親友との
刎頸の交わりについてなどを周恩来首相に語ったからだそうだ。

刎頸の交わりとは 
「友のためなら自らの苦境を顧みず命を懸けてでも友の為に尽くす」ということである。
哀しい事にこの言葉は日本では田中角栄と小佐野何某との政治とカネ問題やらで
薄汚くされてしまったが 
岡崎嘉平太さんはまさに 日中国交回復に尽くすために
我が身とご家族の身の上まで危うくされるような脅迫や嫌がらせにも
屈せず 幾たびも訪れる国交回復への道のりの危機を乗り越えられた。

★信は縦糸 愛は横糸 織りなせ美しき人の世を★

周恩来首相は 岡崎嘉平太さんのご子息に直接こう仰ったそうだ。
「私が君のお父さんを信用しているのは 君のお父さんが
 どんなに自分がいじめられても 中国との国交回復のために
 決して挫けず 真心で頑張って下さるからなんだ。
 だから 友として私も 挫けないように頑張るんだ」

 かつて都立駒込病院の癌外科手術のゴッドハンドと呼ばれた
帯津先生は 周恩来首相の癌をなんとかして治すと
中国に渡られた際 周首相の主治医たちからレントゲン写真を見せられ
愕然としたという。
「嘘でしょう…どうして周首相はあんなにお元気なんですか」
主治医たちは 中国の医薬処方と鍼治療によることと
「周恩来という方の気迫は 常人ではないからです」と応えたという。
そして当の周恩来首相のご厚意で 中国の鍼やお灸 医薬処方について
帯津先生はその治療現場を見学することを許される。
(※このエピソードは帯津先生の書物から)

同じ日の夜 ニュースバラェティ番組で木村太郎とか言う人は
「善隣外交なんて夢想なんです」と叫んでいた。
都知事爺さんとかこうゆうのも我々同胞なんだと思うと
甚だ情けなくなる。理想とか理念が無い政治などありえないと
マックス・ウェバーが述べた基本原則も 妄想だか夢想なのかしら?
私よりも数段もご立派な名門大学で勉学に勤しんだはずの爺さんが
中国のデモで暴走するガキどもと似たりよったりの精神構造に堕すのを 
自らに戒められないというのは 一体どんな学問を修めたというのだろう?
そうか 自らの出世の為にだけ…ですか。

岡崎嘉平太さんは子供の頃 ガキ大将で喧嘩ばかりしていた。
しかし女手一つで子供たちを育てる母親から
涙ながらに「あんたが我慢すりゃええことを どうして我慢できんの?
あんたをそんな小さな男に育ててしもうたら 死んだあんたのお父さんに
私は 申し訳が立たん」そう諌められたそうだ。

岡崎嘉平太さんは 「この言葉が私の感情を教育しつづけている」と。

反日デモの映像など観たくもないが
その中に毛沢東の肖像写真を持った者が暴徒化する姿を見つけると
中国共産党の幹部だけでなく 私のような日本の薄ぼんやりと生きている庶民でさえ
「文革が再来するかもしれない」と思ってしまう。
未だ毛沢東語録を高く掲げる群衆は現れていないが
天安門事件以来の 民主化運動派と格差是正の民衆運動が
毛沢東の永久革命運動へと転化されるという動きには
我々日本だって 警戒をしなくてはならないだろう。
つまり中国市場の大きさに目を眩ませている暇はそんなに長く無いかもしれない。
そういう仮説を立てて 政府や企業の皆様は万が一の状況に
おそらく備えてらっしゃるんでしょう・・・経団連の方々は敢えて
マスメディアを通して仰りませんけれどね。

しかし もう一度いいます。

ジュピター木星は 何度もこの地球という星にいる
争ってばかりいて地球という星の身を護る為に
何の役に立たない人類なんてのが蔓延っていても
この星が彗星や隕石の衝突で半分に粉々にならないように
自らに引き寄せてそれらを処分してくださっている木星の親切が
永遠に続くと思って 人類が殺し合いをしたりする暇が
どれだけ遺されているのかを 真剣に考える人々が 
どれだけこの地球にいるだろう?

日本にはもう岡崎嘉平太さんはいらっしゃらない。
中国にも 周恩来首相は いらっしゃらない。
ただ彼らが遺してくれた言葉と智恵と勇気の物語は
我々の感情を正しく教育してくれるはずである。
正しい感情は正しい思考を促し 美しい思考が
美しい感情を育て その思考と感情が
言動や行動を正しく美しくする姿を忘れてはならないはずです。

そして周首相は戦争賠償問題に対して こう仰った
「日本に軍部が存在するなら私は戦争賠償を軍部に求める。
 だが 日本に軍部が存在しない限りその問題は無い」
この言葉を重く捉えることができる人こそが日本の指導者であってほしい。
議員バッチが無ければ国や社会を変えられないと信じている程度の人々が
坂本龍馬の志を継ぐなどと放言されないほうが よろしいのではなかろうか?
龍馬は 自らを明の鄭和の如く七つの海を大船で渡り
世界を貿易で結んで 日本だけでなく世界中の人々が
皆笑顔で暮らせる世にする事だった。政治の理念とはかくありたいものです。

ちなみに岡崎嘉平太さんは東京帝国大学卒業後 日銀に入行され
その後 大東亜省に関わる銀行へ移られ
戦後は 各企業の再建に携わった経済人であられます。
全日空を立ち上げたりもされたそうです。


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