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時間よ止まれ おまえは美しい!と言ったのは [雑感]

矢沢永吉ではなく ゲーテの『ファウスト』の有名な一節ですが

 [東京 4日 ロイター] 森下仁丹(4524.T: 株価, ニュース, レポート)は
2009年11月4日、
インフルエンザなどの感染症に対する経口ワクチンの改良基礎特許を
神戸大学医学部らと共同で出願したと発表した。
仁丹は神戸大学医学部感染症センターの白川利朗准教授と共同で、
組み換えビフィズス菌を用いた経口ワクチンの開発を行い、2007年3月には
シームレスカプセルを利用した経口感染症ワクチンの特許を共同出願している。
仁丹は今回、神戸大学医学部感染症センターや石川県立大学生物資源工学研究所、
京都薬科大学らのグループとビフィズス菌の表層に
様々な病原体の抗原を提示する遺伝子を導入することで、
抗体生産量が10倍以上高まることを発見したという。

同じ内容の引用を伊勢白山道さんのブログの御蔭で 気付かせて頂きました!ありがと!

私が 腸内細菌に興味を持つことになるのは
今から15年ぐらい前、アイアンドエスという会社に勤めていた頃。
ある営業局から 
「ちょっと怪しげな健康食品会社の商品なんだけどさ」と前置きされて
オリエンを受けた時である。
ようやく 明治乳業が ブルガリアヨーグルトからLG21で「プロバイオテクス」を
標榜しはじめた頃であり、ヤクルトも明治乳業が 言うなら こっちのが老舗だぞと
騒ぎ出すぐらい・・・のご時勢。
~人間の体には誰しも腸内に約1kgの常在細菌があり、
その中で我々の健康維持システム(ホメオスタシス)に貢献する「善玉菌」と
それに敵対し、健康維持を危うくさせる「悪玉菌」ともいうべき細菌が
せめぎあいしつつ、主に免疫抗体ならび免疫機能を成立させている。
だから 腸内の善玉菌を 支援しうる当何某食品を常食すれば
免疫機能が高まり 人生 憂うることなきを約せん~ とかなんとか。

正直言ってあやしげだった。免疫といえば 
胸腺だとか白血球だとかリンパ液 脾臓じゃないか。
なんで大腸に常在する細菌なんだよ・・・・と首を傾げつつ
まぁ 大腸は 血液やリンパ液になる水分を吸収する器官だからして
ただ雲古を製造するシステムだけではなかろうけれど・・・
脾臓は腸より胃に近く在り 肝臓が大腸との直結バイパスがありそうだがして・・・。
ううぅぅん オレは医者じゃないし、 
かといって 目の前で口角泡飛ばす、見るからに不健康そうな
オッサンの熱弁オリエンを伺っても 感情的に理解は阻まれた。
会社に帰って 明治乳業担当の営業部やマーケティング部の同僚から
プロバイオテクスの資料を借りて読み始めると 面白くなってきた。
「人間社会に善悪がせめぎあうのが無くならないように
 腸内細菌は 善玉菌だけには ならない」
妙に哲学的というか文学的なテーマが横たわっていた。
ところが 肝心?の 件の仕事は いつの間にか 消滅してしまった。
健康食品なのに 余りにも効能効果を謳いすぎて
厚生省から大目玉を食らったからである。
しかし その後も 腸内細菌における善悪の彼岸に関して
(まさにニーチェに教えてあげたくなるような世界を)
私は 科学雑誌で時折 目にしたものだ。

時は流れて ゲノム解析を一挙に早めるような発明を
米国の波乗り博士がしたりして 
21世紀になると
20世紀に「スーしませう」なんてテレビCMを打っていた会社が
産学協同の基礎研究をして 上記の如き事業をお示しになる!
かくはめでたい!

ビフィビス菌は 善玉菌の代表格でありますが 
オーヤンフィフィーのような名前で
どうにも愛嬌がござますな。愛情深いというか 情け深いというか
♪ラブイズオーバー 泣くな男だろ ゲンキでいてね 
私はあんたを忘れはしないぃ 誰に抱かれても 忘れはしないっぃ
きっと これが 最後の 恋だからぁ♪
なんてのを腸内で歌っていそうな 
ハードボイルドに健気な細菌ですな。

それはそれとして。
私が既に書き上げている『リヴァース・ショット』という小説には
あのエイズウィルスと云われているレトロウィルスが
実は がん細胞を喰い尽くすウィルスに変貌しうると 
えぇぇ いい加減な 法螺を書いてございます。
米国のノーベル賞受賞者で波乗り博士、ドクター・マリスによれば
エイズウィルスと呼ばれているレトロウィルスは 原因菌ではなく
誰もが 風土と民族的遺伝子上に見合って常在させている
腸内細菌にあるレトロウィルス(人間が進化の上で共生関係を選択した
ウィルスをレトロウィルスと言うそうです)が 最後の砦として
大活躍したものの 戦い敗れての屍じゃないか と。
マリス博士は ヒト免疫不全は 複合感染症だと睨んでいる。
私も エイズ発症のメカニズムを読んだ時、
余りに 都合よく 免疫抗体を無化させる 現在我々がエイズウィルスと
呼んでいるレトロウィルスの振る舞いに SF小説的な胡散臭さを
感じたので まぁ 『リヴァース・ショット』では 上記のような
さらに胡散臭い事を書きまくったのであります。

先週のNHK教育『サイエンスゼロ』では がん細胞を特集していました。
冗談のように聞こえるかもしれませんが
「がん細胞自体は 不老不死です。一人の人間の細胞を喰い尽くし 
死に至らしめても がん細胞自体は 生き続けているのです。
がん細胞は 常に我々の中に潜み 絶えず
出現しては 大いに体内抗体 免疫システムに無化されるのに
ある時点で爆発的に増え 猛威を奮う。
早期発見で 治療の甲斐あって消滅させたものの
忽然とその姿を 何の前触れもなく 現す・・・」
医学界の志操高き方々は このとらえどころない 
人を死に至らしめる存在が 実は 不老不死を性として持っている現実に
向いあっておられるわけであります。
不老不死・・・
そんな 望みは 始皇帝ぐらいしか持たないのじゃないかしら?
私のような凡俗には 本来持ちうべき幻影でもありますまい。
不老のほうは 今流行りのアンチエイジング、凡俗にも持ちうべき幻影ですが
幾ら 不老であっても不死なんて・・・そんなに誰しも乞う幻影かしらん?
それほど 棲み易い世界とは・・・・思いますか?

死生観という 宗教や文学、哲学がしっかりと処方せねばならぬ
領域に 医学が ファンタジー、漱石先生言うところの幻惑を
我々に提供してしまう時代に なっているのでは・・・と少し当惑もします。
トムハンクスが主演した『グリーンマイル』という映画で
不老不死をある程度授かってしまった凡庸な男の哀しみを
描いていましたっけ・・・。

さてさて
『リヴァース・ショット』の出版までは まだまだ時間もあるでしょうから
もう少し 科学・医学の成り行きを眺めつつ
上記部分の手直しを すべきかどうか 判断いたしましょう。
そっくり その部分は 削除すれば 済むのかもしれませんが・・。


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