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ホッとする ささやかな瞬間 [美味礼賛?]

四つ目通りと新大橋通りの交差点を トステムに向かって歩く。
橋を一つ渡り ファミリーマートの在る信号を
左に曲がる。こんな幅の狭い道路が二車線なのは許しがたいと
思いつつ 愛宕神社を目指すと 『銀杏』という打つだしコンクリートの
二階建ての家屋に在る蕎麦屋に行き着く。
お酒には寛容だが 煙草には 不寛容なのは 聊か 許しがたい。
お酒の方が 他人を不幸にする能力は上であることは
昨今の自動車事故を見れば 明らかである。
まぁ それはそれとして。 上戸には堪らない日本酒も出す。
僕は 此処の昼に出す 小さな穴子天丼と通常の七分目ぐらいのかけ蕎麦
のセットを食べると ホッとする。鰹と昆布の出汁が 滋味滋養を
幸福に嗅覚・味覚に伝わる。なんとも ありがたく思う。
蕎麦の香りより この汁の良し悪しで僕は蕎麦屋を尊ぶ。
蕎麦の香りなんざ 微妙すぎるし、よく噛めば いい蕎麦粉は 
鰹と昆布の出汁と素晴らしい相性を示すものだ。
さて 穴子のてんぷらも ギョッとするほどウマイ。ご飯の焚き方も手を抜いていない。
丼つゆが 僕には甘すぎるのがちと残念だが
かけ蕎麦とセットということで こうしている配慮が よくわかる。
食後に蕎麦の実をクラッシュしたのを乗せたクリームとつぶ餡の
小さなデザートが付いてきて 千円だから このお店の心意気が
お判り頂けると思う。料理人ほど 心意気 に惚れ惚れするような
ことを仕出かす方々は 居ないんじゃないかなと 思う。反面
高価な素材に拘った 目の飛び出るほど高い 成金相手の店に
行けるようになることもなかろうが 行く気にもならないだろう。
心意気を忘れた 粋がった奴の高飛車に心寛ぐはずが 無いからである。
そういう類の店は たしかに 慇懃無礼な態度を客にするのを
僕は 知っている。 店主は 全く無自覚だ。茶会に招いたつもりか
莫迦が・・・と 小さく呟いたことがある。


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